感度解析は、シミュレーションモデルの入力の変化に対して、出力がどれだけ変化するかを定量化します。感度解析で得た情報は、どの入力が最も重要で、どの入力は無視してよいかを判断するのに役立ちます。重要な入力がわかれば、潜在的な問題を早い段階で見つけ、モデルをより正確に、あるいはより効率的に改良し、設計や最適化で探索する範囲を絞り込めます。考慮する因子が減れば、必要なサンプル数を大幅に減らせ、コストと時間の節約になります。こうした力があるため、感度解析は複雑なシステムを扱い、ロバストな解決策を作るうえで欠かせません。
SmartUQには、実績のある感度解析の手法が2つあります。エミュレーターを使う方法と、一般化多項式カオス展開(gPCE)です。
感度指標の簡単な例は、直線の傾きです。傾きは、xに対するyの感度を表します。もっと複雑な関数、実験、シミュレーションでは、感度を求めるのはずっと難しくなることがよくあります。入力どうしが影響し合い、ある入力の変化が別の入力の感度を変える(交互作用がある)ことも多く、これを解きほぐすのは複雑な作業です。
SmartUQは、主効果と総効果の両方の感度指標を提供します。主効果指標は、1つの入力変数が出力に与える影響を表しますが、ほかの入力変数との交互作用は考慮しません。総効果指標は、ほかの入力変数との交互作用も含めて、1つの入力変数の影響を表します。非加法的なシステムを調べるときには、総効果指標を知ることが欠かせません。2つの指標を組み合わせて使えば、パラメータ空間全体にわたって、感度をより幅広く評価できます。
サンプリングを多く必要とする手法より速いため、エミュレーター(サロゲートモデル)を使った感度解析は、特にサンプル数が多い問題、非線形な挙動を持つ問題、高次元の問題で広く使われるようになりました。今では、SmartUQの画期的な技術によって、これまでよりはるかに大きな問題にも、エミュレーターを使った感度解析を適用できます。SmartUQの使いやすい感度解析ツールは、作成済みのエミュレーターから、すべての入力の主効果指標と総効果指標をすばやく求めます。
例
エミュレーターを使った感度解析SmartUQには、使いやすい一般化多項式カオス展開(gPCE)のツールがあります。gPCEは、多変量多項式の級数でシステムの挙動を推定する応用数学の手法です。評価するシステムをスパースグリッドDOEでサンプリングし、gPCEで確率的な出力とそれぞれのランダムな入力との関数関係を近似します。この近似を使って、不確かさ伝播や感度解析の結果を計算します。gPCEは、スパースグリッドDOEに必要な点が少なく、結果の計算も速いという両面で、非常に効率のよい手法です。
出力Yは、gPCEによって多変量多項式の級数として表せます。多変量多項式は1次元の多項式から成り、それぞれの1次元多項式は、連続確率分布の種類ごとに最適な基底になります。この最適性は、その連続分布の確率密度関数に関する直交性から来ています。
例
一般化多項式カオス展開による感度解析この例では、入力変数5つ、出力変数1つのデータについて、gPCEに基づく手法で感度解析を行いました。入力変数の確率分布は想定される不確かさに基づいて予測し、それを使ってスパースグリッドの実験計画を作りました。その実験計画でシステムを評価し、得られた出力をgPCE解析に使いました。主効果と総効果を表にまとめています。SmartUQは、スパースグリッドのデータに欠けがあっても感度解析を行えます。